君と会えたから・・・
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    将来の不安を抱えながら、それでも何かを踏み出すことに臆病で言い訳ばかりしていた高校生の男の子。
    そんな彼が留守番をしていた書店に不思議な魅力を持った女子高生がやってきた。
    彼女は彼を応援すると言う。
    彼女の父親から教えられたという課題をこなすうち、その後の人生を変えるような驚きと発見をしていく物語。


    この少年は私でした。
    まさしく十代の頃の私。今でもあまり成長してませんが、あの頃にこの本と出会い、その通りに行動していたら、きっと物の見方が180度変わっていただろうと思い、すごく残念な気持ちになりました。
    進路に悩んでる人、人生に行き詰った人、自分の気持ちが分からず戸惑ってる人、未来へ踏み出せず焦燥感を抱えてる人、そんな人にぴったりのすてきな物語です。

    今まで自分は夢を諦めなきゃいけないと思いやさぐれてたけれど、夢そのものの見方を変えれば人生はより輝くんだと知りました。
    仕事に対する考え方とか、夢に対する価値観とか、とにかく目から鱗の話が盛りだくさん。
    もう少し若かったらと思わず、出来る可能性はあの頃より少なくなったけど、今からでも初めてみようと思う、そんな物語に出会えてちょっと嬉しい♪

    posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 07:54 | comments(2) | trackbacks(0) | - | - |
    森のくまさん
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      ネットで中傷されていた人間が次々と殺害される事件が続いた。
      犯人は『森のくまさん』と名乗り、殺されても仕方がない人間を処刑したのだと発表。
      警察は威信をかけて捜査したが、被害者同士に接点がないため犯人逮捕につながる情報がない。
      警察への非難が高まる中、法で裁かれない犯罪者を殺害していく犯人に支持が高まっていく。
      だが実はその殺人にはある明確な目的があり、その裏には人の心に巣くう闇があった。



      愛する人を殺された時。またはいわれなき酷い仕打ちを受けた時、犯人を同じ目に遭わせてやりたいという気持ちが働くことは理解できます。
      理解できるがために、法によって裁かれない、もしくは裁きが甘い現実を見ると、どうしても司法や警察、世の中といったところに非難や疑問が向いてしまう。

      もし自分が正義の味方だったら、あんなヤツら野放しにしないのに。と子供なら思うでしょう。

      でも大人になると、善と悪の境界線があいまいなことがあることに気づきます。
      気付かなければならない。だって、人間は間違いを犯す生き物だし、世の中にはいろんな生き方があるのだし、法って最低限のことを守るので手いっぱいなんだってことが理解出来るから。

      けれど気付かないまま大人になったとしたら。

      とても恐ろしいことです。

      悪いことだと思っていない人に、裁きを下しても意味がない。
      この物語の謎は解けましたが、登場人物たちの物語はここから始まるのだと感じました。

      posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 07:30 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      図書室のキリギリス
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        突然、夫がいなくなった。
        3年も帰りを待ち続けた詩織だが、生活のためと親友の紹介もあって学校の図書室で働くことを決意。
        本好きな彼女は物に込められた人の想いを読みとる能力があり、仕事は適任で遣り甲斐もあった。
        仕事に没頭していく詩織。生徒たちとの距離も縮まったが、その中で突然退職した前任者の謎や、何も言わずに消えた夫の謎などが絡んでくる。



        物に込められた人の気持ちが読めるという特殊能力はあまり関係ないような気がしました。
        それがなくてもこの物語は、過去と決別して一歩踏み出した女性の生き方をちゃんと見せてくれてます。
        本を好きになってもらおうと生徒たちに働きかけるところが私は大好き。
        こんな人が図書室にいたらもっともっと本好きになって、本を深く知ることが出来ただろうにと思ってしまいます。
        もちろん、今からでも遅くはないと思いますが、多感な年ごろの本の読み方ってその後の人生を変えるくらいの影響力があると思うので。
        詩織を囲んで、本が好きになった生徒たちの縁ってとても素敵でした。

        posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 07:56 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
        天翔る
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          幼いころ母を失くし、大好きな父と祖父母の元で幸せに暮らしていたまりも。
          だが友人に父の職業を馬鹿にされ、つい恥ずかしさから父を遠ざけ、仲直りが叶わないままその父を不慮の事故で亡くしてしまった。

          自分を責め、登校拒否に陥ったまりもだが、同じように心に傷をもつ看護師の貴子や、過去に辛い経験をした牧場主の志渡たちと知り合い、乗馬を通して馬と触れ合うことで、少しずつ笑顔を取り戻していった。

          それでも時折、心が不安定になるまりも。

          そんな彼女に、乗馬耐久競技(エンデュランス)という道の世界が目の前に広がった。



          久しぶりに胸が熱くなり、涙がこぼれそうになりました。
          馬の生命力。力強さ。そしてそれを支える人たちの努力と献身的な愛情。
          命というものに関わるために必要な覚悟。
          絆もコミュニケーションも決して一つの型には収まらない、色んな形があるのだということを教えてくれる素敵な作品です。

          誰もが心の底に辛い記憶を持っているのかもしれません。つい、自分だけが悲しい、辛いと思いがちですが、そんなことはないのだと、その辛さは分かち合えるのだと背中を撫でてくれるような心地よさを覚えました。

          とにかく、周りの人がとても理解力があって優しくて思いやりに満ちていることが素晴らしい。
          まりものことを一番に考えてくれる、支えてくれる人たち。

          そんなまりもに自分を重ねれば、きっと心が癒されると思います。

          posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 06:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          オーリエラントの魔道師たち
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            権力者から嫌われ、迫害されている魔道師たち。だが人々の間では密かに支持され守られてきた。
            そんな彼らのもとには様々な依頼が舞い込む。
            これは、摘発を逃れながら人の願いを聞き遂げる彼らの物語。



            魔道師たちがそれぞれに直面した出来ごとを短編で綴っている物語。
            ファンタジーらしいファンタジーで、中世ヨーロッパの空気が濃厚。
            ただ、魔道というよりおまじないってほうが近い気がする。
            よりリアルなのかーと思いつつ・・・短編なので手軽に読めました。

            posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 07:11 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            少年H
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              洋服の仕立て職人の父と、熱心なクリスチャンの母の間に生まれたH。
              小学校5年生の時に戦争がはじまり、否応なく時代の波に飲み込まれるが、両親の教育が一風変わっていたためか、Hも極貧の中にあって逞しく成長していく。


              2つ年下の妹からも慕われ、友達も多く、商売の才に富んでいたH。
              終戦の混乱期には自身のことでさえあやふやで苛立ちを隠せなかったが、それでも将来に希望を見出し歩き出す。

              かなりマセた子供だなというのが第一印象。
              両親を少し離れたところから見るところがあって、したたかに儲けようという気が高い。

              けれど、終戦で価値観ががらりと変わり、不安と混乱で周囲に当たり散らす様は、きっとあの当時のそこかしこで見られた光景なのだろうなと想像ができた。
              優しくて小狡くて逞しい、ありのままの少年が時代を精いっぱいかけている物語です。

              posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 08:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              空に住む
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                生活には何不自由なく育てられた直実。だがその心は固い鎧に守られていた。
                誰とも深く関わらず、自分を出す術を知らない彼女は、だが相次いで両親を失くし、一人きりに。
                父親の弟を頼って上京し、一人ひっそりと暮らす時間を大切にしていたが、マンションのエレベーターで偶然、有名人の彼に出会ってしまい・・・・。


                高層マンションに住みながら、閉塞感に息をつまらせ、愛猫だけを心の支えに殻に閉じこもってしまった直実。
                『甘ったれてるだけ』と言われるけれど、なかなかその殻を打ち破る術が分からず悶える姿は、自分と重なってしまいました。

                でも彼女は若い。まだやり直せる。いや、進んでいける。
                殻は、自分から破らなければどんどん固く厚くなっていきます。
                信頼する友人と、頼れる親戚が傍にいる彼女は幸せ。
                ゆっくりでも少しずつ前を向いて進んでいけたらなと応援したくなりました。

                posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 08:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |