なくしたものたちの国
0
    JUGEMテーマ:読書
     子供のころ、成子は色んなものと話ができていた。
    葉っぱやヤギや、トカゲや鳥。
    その代わり、隣に座っている男の子の言葉が変に聞こえることがあり、彼女はいつもオドオドしていて引っ込み思案で変わった子供という評価を下されていた。

    だが、夏休みが終わると、その奇妙な体験がなくなり、世界は静寂に満ちていて、隣の男の子の会話がちゃんと理解できるようになっていた。

    それから時が経ち。
    死んだ猫の生まれ変わりだという少年に出会ったり、辛い恋をして生き霊になったりしながら、成子は結婚して母になる。
    昔のことはもうほとんど覚えていない。

    けれどひょんなことで、彼女は古いアルバムを見るように昔を思い出し、なくしたものが沢山あることに気付いた。


    女性の一生を鮮やかに優しく描きだした文章を読み、自分もそんなことがあったなぁ、とか、子供ってみんなそうだったかもしれないとか、懐かしさと切なさと愛おしさでいっぱいになりました。

    私にも、気付かない内になくなってしまっているものって沢山あります。
    そのほとんどが自分から捨てたものだけれど、中にはとても大切にしていたのに、いつの間にかなくなってしまったものも・・・・。

    そして、そういうものは思いもしなかった場所から出てきたりするんですよね。

    物語のラストは深読みすると輪廻って言葉がでてくるのだけれど、私にとってこの物語は映画の『ネバーエンディングストーリー』だったり、『ナルニア国物語』だったりするようなファンタジーです。

    イラストもとても優しくて暖かくて大好き♪
    取り戻せないものほどそう感じるのかなぁと、ちょっぴり切なくなっちゃいますけど・・・・ね。
    posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 06:54 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









    この記事のトラックバックURL
    http://kozukai.fantasy-club.net/trackback/999642
    トラックバック