わたしをみつけて
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    生まれてすぐ産婦人科に捨てられ、養護施設で育った山本弥生は、すぐに独立できるということで資格を取得し、看護師として病院で働いていた。
    そこは横暴な医者が幅をきかせており、準看護師の弥生では意見することも出来ない。が、それは言いわけで、実は波風立たないようにただ曖昧に笑ってすませる術を身につけているだけだった。
    そんな病院に、請われて師長としてやってきた一人の女性、藤堂。
    彼女はその知識と技術と手腕で病院内の様々な疑問に真っ向から立ち向かい、淀んだ体質を変えていく。



    同じことをやっている方が、楽でいい。そんな怠惰な気持ちから、おかしいと思うことすら止めてしまう。
    ドキリとしました。
    笑っているのは、自分に悪意がないからだと思って欲しいから。
    心の中でどんなことを考えていても口に出さなければいい。そんな風に考えている弥生の心情はとても理解できます。
    つい周りに流されてしまう自分。そうでありたくはないと思うのに、楽な方、波風が立たない方へと流されてしまうのは、過去に辛い経験をして心が固まってしまったから。
    でも、その殻は破ろうと思えば破れる。傷つくことを恐れなければ。

    『その仕事の仮面をかぶり続けていれば、いつか仮面が本当の自分になる』

    自分探しをする人たちに向けて、自分なんてなくてもいいと言った藤堂師長の言葉はとても深く胸に響きました。
    制服を着ると、それらしく見えるというのはそういうことですよね。
    着てる物に合うように自分を変える。
    それで自分が自分でなくなるなんてことはないのに、自分が思い描く自分像に固執するのは、子供の考えだと言われた気がします。

    posted by: 黒猫 | 読書・絵本の感想 | 07:16 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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